常にアスリートの意見に耳を傾ける事で様々なアイデアをインプットし、それを具現化する確かな技術力によって革新的なプロダクトを生み出し続ける「adidas(アディダス)」。スポーツに尽力するアスリートをサポートするだけでは無く、プロダクトを通し関わる全ての人とコミュニケーションを取る事でスポーツそのものの発展に多大な影響を及ぼして来ました。
スポーツの根本とも言える"走る"事に対する情熱は現在も冷める事無く、「創造性」と「機能性」を兼備したパフォーマンスシューズを携えプロダクトカンパニーとして常に市場をリードしています。
カテゴライズされた枠の中に留まる事無く、ストリートシーンやサブカルチャーを牽引するインフルエンサーからリアルユーザーに至るまで、多種多様な足元のマスターピースとして長きに渡りシーンの第1線で活躍し続ける「CAMPUS(キャンパス)」。
1970年初期にリリースされた「TOURNAMENT(トーナメント)」の後続モデルで1983年にオンコートのトレーニングシューズとして誕生。リリースされてから80年代後半に至るまで長期に渡り生産が継続され、「made in FRANCE(フランスメイド)」「made in KOREA(韓国メイド)」そして現在の「made in VIETNAM(ベトナムメイド)」など諸外国で製造された事でカラーバリエーションも数多く存在し、「SUPER STAR(スーパースター)」や「STAN SMITH(スタンスミス)」と共に「adidas Originals(アディダスオリジナルス)」のブランドフィロソフィが詰め込まれた名作。
また「adidas Originals」とサブカルチャーの切っても切り離せない関係の中で、密にリンクするエピソードが語り種として存在するのも「CAMPUS」の人気を支える由縁の1つ。
1982年にデビューを果たし、ファーストアルバムでビルボード1位を獲得する偉業を成し遂げた「ブルックリン」出身の「BEASTIE BOYS(ビースティボーイズ)」は「アメリカ」で「CAMPUS」がブレイクする切っ掛けを作ったオールドスクーラーです。
1992年に発表され「ERIC HAZE(エリックヘイズ)」氏がグラフィックを手掛けた傑作「CHECK YOUR HEAD(チェックユアヘッド)」のヴァイナルジャケットでの「MICHEL"Mike D"DIAMOND(マイケル"マイクD"ダイヤモンド)」氏のルーズな履き込なしや「ADAM"MCA"YAUCH(アダム"エムシーエー"ヤウク)」氏が魅せたネルシャツとのコーディネイトはあまりにも有名。それまでタイトなシルエットが主流であったファッションシーンにおいて、様々な音楽をミックスする独創的な音楽性と共に斬新でルーズなシルエットに身を包んだ彼らのスタイルは革命的で、現在のストリートファッションの基礎が全て詰め込まれていると言っても過言ではない程、多大な影響を及ぼしました。
更にこの流れはスケートカルチャーにまで飛び火し、「BLIND(ブラインド)」から発売された自身のフルパートを初めて収めた「VIDEO DAYS(ビデオデイズ)」がスケートビデオの流れを変えた名作として今でも賞賛されるスケート界の傾奇者(かぶきもの)「MARC GONZALES(マークゴンザレス)」氏の足元を支え、後に「adidas Originals」のスケートラインから「ADIMATIC(アディマティック)」や「SHRED(シュレッド)」と並び90年代を代表するモデル「THE GONZALES(ゴンザレス)」をリリースするまでの関係を築き上げる布石となりました。
また、ヒップホップが現在の様に世界的に認知される以前のオールドスクールなファッションや時代背景を体感出来る80年代のヒップホップシーンを切り取ったドキュメンタリー写真集「BACK IN THE DAYS(バックインザデイズ)」でも作品に登場する当時を生きた人々の足元を彩り、その存在感を存分に示しています。
昨今では「ロンドン」の「FOOT PATROL(フットパトロール)」提案カラーを皮切りに、世界連動プロジェクト「adidas consortium(アディダスコンソーシアム)」から名作のフィロソフィを受け継いだ「CP 80s」としてリリースされ完全復活を果たし、「ObyO(Originals by Originals)」の一端を担った「倉石 一樹」氏がディレクションをする「KZK」ラインから「東京」を代表するストリートブランド「WHIZ LIMITED(ウィズリミテッド)」のデザイナー「下野 宏明(シタノヒロアキ)」氏とのコラボレーションモデル「CP 80s FELICITY(CP80sフェリシティー)」等、様々なカラーリングが投下されている名作です。
そんな名作をベースに、数多くのブランドとのコラボレーションモデルや別注モデルのデザインを手掛けるだけではなく、世界プロジェクトから国内インラインのディレクションまで、その活躍は多岐に渡りスニーカープロジェクトに携わり具現化し続ける「mita sneakers(ミタスニーカーズ)」のクリエイティブディレクターである「国井 栄之(クニイシゲユキ)」が提案する「CP 80s MITA(キャンパス80sミタ)」。
2011年FALL/WINTERシーズンに「ネイビー/ホワイト」「グレー/ホワイト」、2012年SPRING/SUMMERシーズンに「バーガンディー/ホワイト」と「ブラック/レッド」、2012年FALL/WINTERシーズンに「サックス/ホワイト」と「グレー/ネイビー」、2013年には「ブラック/シルバー」がスペシャルメイクアップとして世界の選ばれた店舗にてゲリラリリースされ、実売、話題性共に大きなバズとなったのは記憶に新しいところ。
そんな「CP 80s MITA」から、「adidas Originals for mita sneakers(アディダスオリジナルスフォーミタスニーカーズ)」プロジェクト第7弾としてNewカラーがリリース決定。
今シリーズは「SUPER STAR」や「STAN SMITH」に続き、普遍的なスタンダードを再構築すべく、"第3の定番モデル"を生み出す為にスタートしたプロジェクト。
「adidas Originals」がこれまでに送り出して来た普遍的なモデルと並び「CAMPUS」も同様に定番モデルとして高い評価を受けてきましたが、長期に渡る生産背景や復刻当時の時代背景により、ワゴンセールになってしまう事もある悲運の名作である事も事実。
そんな「CAMPUS」をスタンダードモデルとしての存在価値を再構築する為、普遍的なオリジナルディテールをベースにしながらも、あえて完璧な復刻ではなく現代的なリヴィジョンや価値観を融合させる事により、あらゆる世代のベクトルをニュートラルに表現しています。
今作は、オリジナルカラーの中でも圧倒的な人気を誇る「ネイビー/ホワイト」と、当時「BEASTIE BOYS」がプロモーション用の「ポスター」や「CHECK YOUR HEAD」のヴァイナルジャケットで着用し愛用されたオリジナルカラーの1つ「ブラック/シルバー」をマッシュアップし、コンテンポラリーな再構築を施し具現化。
「アッパー」マテリアルには発色が良く質感に優れた「ピッグスキンスウェード」を採用し、「シュータン」の「裏あて」には「フィッティング性」を考慮して「柔軟性」に富んだ「ゴートレザー(山羊)」を使用。
「ソールユニット」はオリジナルモデル同様の「オパンケ縫い」で仕上げながら、「インソール(中敷き)」の表面や「ライニング(履き口)」には、"コンフォートファッション"の足元を飾る「機能性」を兼備した"トラディショナルシューズ"から着想を得た足触りの良い「レザー」を採用し、裏面には「クッショニング性」を向上させる「EVA(エチレンビニルアセテート)」を搭載する事でクラフト感に溢れる風合いと実用的な「機能性」を両立。
更に、通常「インソール(中敷き)」に貼付けられる「ステッカー」を、あえて「織りネーム」として縫い付ける等、細部にまで拘りを凝縮しています。
スタンダードとは時代やユーザーと共に変化するものであり、「adidas Originals」が誇る普遍的な価値と本来の魅力を凝縮した「CP 80s MITA」は、まさにそんな言葉を具現化した1足。その歴史の重みを継承しブランドフィロソフィを反映した名機に、新定番としての懐古主義ではなく温故知新としてのアプローチを示した今作を是非、足元から体感して見て下さい。