日本が世界に誇るナショナルスポーツブランドへと成長を遂げた「asics」。その前身ブランドである「Onituska Tiger」の歴史は、1949年に創業者である鬼塚 喜八郎氏が創業した「オニツカ株式会社」からスタートします。記念すべき第1号モデルとして誕生したバスケットボールシューズと共にスポーツシューズの強さと敏捷性を表現したロゴマークは瞬く間に拡がり、その後も数々の画期的なプロダクトを開発し続け、知名度も上がり事業は急成長。1956年に開催されたメルボルンオリンピックでは日本選手団用トレーニングシューズとして正式採用される等、注目を集めました。そんな順風満帆な成長に陰りが見え始めたのは、スポーツシューズブランドとしての技術を軸に事業の多角化に経営方針を転換させた事が切っ掛けとなり経営を圧迫して行きました。そんな逆境の中、再起を図る為に鬼塚 喜八郎氏は1964年の東京オリンピックに照準を合わせ、原点回帰に舵を取って行きます。本来の事業であるスポーツシューズブランドとして特化する事により、真摯にユーザーと向き合いながら求められるプロダクトを開発。更に世界中のアスリートにプロダクトを履いて貰う為にプロモーション活動を積極的に行った事が花開き、東京オリンピックに出場した多くのアスリートの足元を支えメダル獲得に貢献。経営は再び軌道に乗り、世界的なスポーツシューズブランドとして躍進するターニングポイントとなりました。一点にキリでもみ込むように集中攻撃すると言う意味合いが込められたこの活動は、後にキリモミ商法と呼ばれる様になり、現在も創業者から語り継がれるフィロソフィとして脈々と受け継がれています。1977年に「asics」へと改名されますが、2002年には過去に競技用として誕生したプロダクトをファッションアイテムとしてブラッシュアップする事で新たな価値観を生み出す新たなスポーツファッションブランド「Onituska Tiger」としてリスタート。モノ作りの良さを伝えたいと言う本物の日本をコンセプトに掲げた日本製のコレクションを展開する等、様々なアプローチで過去の名作のフィロソフィを継承しながら、新たな価値を付加した魅力的なプロダクトを世界に向けて発信。現在もブランドフィロソフィを継承するアイコンモデルに加えて、コンテンポラリーな再構築を施したニューモデルをリリースし続けています。